
共鳴する感性
ライフスタイルブランド「FLOLUX(フローラックス)」の第一弾コラボレーションアーティストとして、fanfan のアートが選ばれた。かつてプライベートな時間を共にした二人が、数年の時を経て、今度はビジネスパートナーとして向き合う。そこには、言葉にせずとも伝わる信頼と、互いの感性への深いリスペクトがあった。
―偶然の出会いから、必然のクリエイションへ―
インタビュアー:お二人はパンデミックが始まる少し前、共通のご友人を介して出会われたと伺っています。出会った当時のお二人はどんな感じでしたか?
久保田:そうですね。当時は仕事の話をするというよりは、遊び仲間の一人でした。クラブに繰り出したり、語り合ったり。 自由な空気の中で、ただ純粋にその時間を楽しむ友人でしたね。その頃は、数年後にこうして一つのプロダクトを一緒に作っているなんて、お互い想像もしていなかったです。
fanfan:本当に。でも、せり(久保田)とはその頃から、好きなものや美しいと感じるものの感覚が、どこか深いところで繋がっているような気がしていました。彼女が選ぶ言葉や纏っている空気感に、私自身も刺激を受けていたんです。
インタビュアー:その後 2020 年、世界を襲ったパンデミック。その大きな変化の時期を迎え、fanfan さんはアーティストとしての道を本格的に歩み始められました。
fanfan:私にとっては、あの混沌とした時間が自分自身を見つめ直す機会になりました。ネイリストという表現手段も大好きでしたが、自分の中から湧き上がるものを、より大きな、制約のないキャンバスにぶつけてみたい。その想いが爆発したのが、あの時期でした。自分を「生み出す者=アーティスト」として定義することが、私にとっての自然な生き方だと確信したんです。

久保田:私はその変化を少し離れた場所から見ていましたが、 fanfan が描き出す『WAVY』というシリーズを目にしたとき、心が震えるような感覚がありました。リズミカルで、重層的で、どこか女性の優しさとしなやかさを内包している。その色彩に、私がずっと温めてきた「FLOLUX」の輪郭が重なったんです。
―「繊細さ」を力に変える、セルフラヴの哲学-
インタビュアー:久保田さんは、ご自身の「敏感肌」という悩みが、ブランドの立ち上げに大きく影響していると伺いました。
久保田:はい。幼少期から肌が弱く、日々のケアには人一倍気を遣ってきました。肌が過敏なゆえに、少しの不安要素も、とてもストレスになっていました。 色々なケア方法も試しましたが、ジプシーのように彷徨っていた感じ。そこで、満足いくものがないなら、自分で作ってみよう!と思いついたのがブランドを立ち上げたきっかけです。
肌と心は密接に関係していて、心も身体も優しく慈しむための場所を作りたい、 そうして辿り着いたのが FLOLUX の根底にある「Grace(しなやかさ)」という考え方です。
インタビュアー:機能としてのスキンケアを超えて、精神的な充足も大事なファクターと考えたのですね。
久保田:そうです。伝統的なコールドプロセス製法にこだわり、熱を加えずじっくり時間をかけて熟成させる石鹸は、肌を労わるための「機能」です。でも、それだけでは日常を「満たす」には不十分だと感じていました。 石鹸を使うのは日常的な行為です。その日常に、そっと心を満たすアートもある。その一瞬の視覚体験が、日常のノイズを遮断し、自分を大切にするためのスイッチになる。そのスイッチとして、アートが必要だと感じています。
実際、私が初めてアート作品を購入し、アートのある生活を始めたのが fanfan の作品でした。私のこの体験をシェアしたいという思いで、fanfan にコラボレーションを依頼しました。

fanfan:せりのその想いを聞いたとき、私の描く色彩が誰かの心を整えるお手伝いができるなら、これほど嬉しいことはないと思いました。
私の絵は、なにか明確な正解を提示するものではないと思っています。 光の加減や、手にする人のその日の心持ちによって、見えてくる色が違ってもいい。
―fanfan とのコラボレーション、その確かな手応え―
インタビュアー:今回のプロダクトを手に取ると、お二人の優しいエネルギーが調和しているのを感じます。
久保田:fanfan には、ブランドの立ち上げという最も重要なフェーズで、最初のパートナーとして並走してもらいました。彼女の自由で鮮烈な色彩感覚があったからこそ、FLOLUXは「機能的なケアブランド」ではなく「感性を動かすライフスタイルブランド」として誕生させる事ができたと感じています。
fanfan:せりが大切にしている「丁寧なものづくり」の姿勢には、私もアーティストとして多くのことを学びました。一つひとつの成分や香りに至るまで妥協しない彼女の姿を見て、私も自分の作品がその一部になることに、大きな責任と喜びを感じました。
インタビュアー: 前編では、彼女たちの出会いからブランドの誕生までをお話し頂きました。
続く後編では、FLOLUX が提案する「新しいアートの楽しみ方」や、これからの展望について、さらに深堀していきます。

FANFAN(ファンファン) | ミャンマー出身のアーティスト
幼少期よりミャンマーのインターナショナルスクールに通い、オーストラリア留学を経て英語を習得。 18 歳で来日し、日本語・台湾語・ミャンマー語・英語を自在に操り、多様な文化に触れた経験と、卓越した手先の器用さと洗練された美的感覚を活かし、ネイルアーティストとして活動を始める。その卓越した表現力はネイルの世界を超え、現在は絵画やビジュアルアートの領域にも拡張している。

FLOLUX 代表取締役 | 久保田芹南
幼い頃から敏感肌に悩み、必然的に「安心して触れられるもの」を探す日々でした。そしてあるときから「自然の力」に深く惹かれるようになりました。FLOLEX は、そんな私の体験と信念を通して誕生したブランドです。 アーティストコラボレーションのパッケージは、日々の暮らしにさりげなく取り入れられるアートとして、単なるパッケージとして「捨てられる容器」ではなく、再利用して頂くことを目指しています。今後のコラボレーションにもご期待ください。